田倉流アニメ塗り講座

皆さん、原画の準備は出来ましたか?ではさっそく先ほどまでの下書きをパソコンに撮り込んでいきまス。
スキャナーの読み込み先には一番ポピュラーな「Adobe Photoshop 5.0J」(以下「写真屋」)を使用しました。っつーかいつもは撮り込みには「ペイントショッププロ」を使っていますけどね。 スキャンニングに付いては操作設定人それぞれですけど、アニメ塗りをする場合にはモノクロ2値(※1)300dpi以上で撮り込むのが慣わし。グレースケールじゃありませんよ〜。 300dpiで撮り込むので、結構でかいサイズのモノクロ画像が出来あがります。なので、今回のアニメ塗り(っぽいヤツ)をするには多少のマシンパワーは必要かもしれませぬ。
ちなみに田倉さんのマイパソコンのスペックはですね・・・・

CPU:Pentium2 266Mhz×2
Memory:256M
VideoBoard:VoodooBanshee 16M
 大したスペックでもありませんでしたね。まぁメモリが多ければそれだけ作業はしやすいです。128Mくらいあればまず作業は出来るんじゃないかな?最近メモリは安いし。
もちろん、1ランク上の600dpi以上とかで撮り込めばもっと細かい作業もできますしよりキレイに描けるのですが、如何せんウチの256Mメモリでは600dpiなどは重くて・・・(苦笑)。
で、撮り込んだ画像がこちら↓。右は300dpiで撮った時の実寸のカットです。

前回線画の段階では、黒目と瞼は白抜き状態だったのですが、撮り込んだ時にさっそく写真屋で黒く塗り潰しました。別に塗り潰さなくてもいいんだけど、この方が落ち着くンジャイ!



さて、実際に撮り込んだらいよいよ写真屋での作業開始です。 →準備OK?
撮り込んだままの画像では、主線が汚かったりスキャンニングした際のゴミが写っていたりするので、それらを消しゴムで丹念に修正していきます。

画像が白黒2値なので、消しゴムツールも2値化してみましょう。まずは消しゴムツールを選んで、ナビゲータウィンドウ(1)「消しゴムツールオプション」を選択。 次に(2)消去モード(3)「鉛筆」を選択します。そうすればすぐ下のブラシウィンドウのブラシが2値化されてますです(4)。
あとは消しゴムブラシの大きさをコマゴマと変えながら線修正を施しましょうぞ。



あー例として左のように髪の毛の部分ですが、な〜んか線が汚いですね。ココを修正します。ブラシサイズの一番小さいサイズで削り取るように主線を消していきます。で、消し過ぎちゃったり加筆修正する場合には普通に鉛筆ツールで これまた少しずつ塗り固めるように修正。これをちまちまと繰り返して納得するまで修正します。線修正は気になりだしたらキリがないから、適当なところで妥協しちゃいましょう!なぁに、どうせ最後には縮小かけちゃうんだから 目立ちゃしねえよ(笑)。妥協するボーダーラインは・・・人それぞれ性格によるので各自勝手に妥協するように。

ってなワケで適当かまして修正しました。



気の済むまで線修正かましましたか?でしたら次は画像ファイルをフルカラー化します(※2)。2値のままでは色など塗れませぬからな。写真屋でモノクロ2値の画像をフルカラーにするには 一度グレースケール変換を噛まさないと出来ないみたいです。ってゅーかストレートに変換する方法を知りません(笑)。
→白黒2値からグレースケールへの変換の手順

ちなみに2値からグレースケールに変換する際にサイズ比を求められますけど、そこは「1」のまま。

「2」とか「3」とか入力したらその割合の分、縮小されちゃいます。今回のアニメ塗り(っぽいやり方)ではでっかいファイルのまま色塗りするからいいのです。

グレースケールに変換すると、白黒中間色で256色まで使えるようになります。んが、今はそんなモードには興味はありません。ちゃっちゃとフルカラーにしちゃいましょう。(※3)
→グレースケールからフルカラーへの変換の手順



無事に画像ファイルもフルカラー化できて、これで色塗りに向かうことが出来ます♪いやしかし待った!最後の下準備の「主線のレイヤー化」が残っておりまする!
「主線のレイヤー化」とは文字通り、今はキャンバスに貼りついたままの主線だけを抜き取り、独立したレイヤー(※4)にしてしまおうというもの。 そんなことをしなくても色塗りは出来る、って言やぁできるんだけど、線画を
レイヤーにした方が後々何かと便利なので。それに「主線のレイヤー化」は、今回の手法以外にも、グレースケールで撮り込んだ線画にも 応用が利くので、覚えておいて損はありませんですハイ。

で、まずはディスプレイの右下辺りに偉そうに陣取っているレイヤーウィンドウの中の、(1)「チャンネル」を表示します。 すると右図のようなウィンドウが表示されます。チャンネルって言うのは、「画像ファイルのカラー情報」の事なんだけど、まぁこの際難しい事はどうでもいいです(笑)。
次に、レイヤーウィンドウの下にある(2)のボタン部分に注目。このボタンは「チャンネルを選択範囲として読み込む」ボタン(まんまやんか)なのですが、 つまりは「画像のカラー情報を選択範囲に指定する」機能なのです。ちんぷんかんぷんですか。まぁ押してみればわかるのですが・・・・↓

「チャンネルを選択範囲として読み込む」ボタンを押すと、このようにカラー情報のない「黒」以外を数値的に選択してくれます。難しい事言わずに片付けるならば 主線以外を選択しましたって事です。
そうしたら次はツールバーの「選択範囲」から「選択範囲を反転」を実行してください。そうすることで「主線が選択される」と言う事になるのです。 主線を選択することの意図は次で明かしますが、ここまでが主線のレイヤー化の第一段階。

ハァーイ!それでは次に主線レイヤーとなるべき未来の新規レイヤーを作ります!(?)普通にレイヤーを作る要領で構いません。レイヤー名には「主線」とでも入れておきましょう。 描画モードも「通常」のままで。

レイヤーを作ったらさっそく作ったばかりの「主線」レイヤーを選択して、「編集」から「塗りつぶし」を敢行しちゃいましょう。先ほどの選択範囲が生きているので、「主線」レイヤーに線画の形で色が塗り込まれます
→塗りつぶし
おっと!その前に塗りつぶす色を描画色に選んじゃいましょう。別に何色だって構やしないのですが、主線レイヤーを作る事で、主線の色は後でいくらでも変更できるのでとりあえずを推奨。 てゆーかにした方が何かと都合がいいです。

あとは元画像の「背景」に表示を戻して元の線画を消去すれば、完全に線画のみのレイヤー化が出来ました。背景画像は透明化されないので「背景色」を白に選択していれば、キャンバス「全てを選択」して「消去」するだけでOK。 (※5)

ちょっと複雑な手順ではあったけど、ここまでが下準備。特に「主線のレイヤー化」は先言った通りグレースケールの線画にも使えるので、ちょっとした落書きに色を付けるって時にも 役に立つと思います。
  さて、次回はいよいよCG講座の本命、「色塗り」に参りたいと思いまする。



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※1:白と黒だけの、あのギザギザ画像のヤツ(笑)。境界線がしっかりしていないと色塗りが大変。加えて主線のギザギザを目立たなくするには画像がでかければでかいほどいいってね。
※2:フルカラー化することを「RGB変換」と言います。
後どうでもいいけど、「白黒2値」のことを「モノクロ2階調」と写真屋では言うんだっけ。
※3:こういう機械的な作業行程ばかりだとボケどころが
見当たらなくて、書いている本人もツマラナイみたい。
※4:意外と「レイヤー」を知らない人って多いらしいけど・・・?めちゃくちゃ簡単に言うとセル画で言うところの「セル」みたいなもの・・・ってイメージでどうでしょう。
 つまり、現時点の状況で例えるなら、今はまだ紙の上の線画を、セルにコピーしちゃおうっていうこと。
※5:ココまでの一連の動作をアクション化すれば、グッと効率は上がるかも?ただし田倉本人はアクション化はどうすれば出来るのかわからないので聞かないように(笑)。
Mahiro Takura PReSEnt's AduLT PAGe